ダイナー
2026年6月3日
「鍋は美味しいからね」
鍋は、遊牧民にとってはソウルフードのようなものです。
旅人的には鍋にぜひ名物になってほしかったですが、仕方ありません。
「じゃあ、大福を持って広場に行こう。
それに合うお酒をみんなに決めてもらうのもいいかもね」
そう言ってると、お肉もお酒ももうなくなっていたようです。
ちょっと飲み足りないなと思いながら、旅人はこの先はあとで飲むのにとっておこうと決めました
「広場でも乾杯するのかい? 上々だね。」
お代わりもしてるし、今日はいっぱい飲む気なんだな、と思っている。
「嗚呼、投票かい。そうだね、その土地に根差した銘酒というのも良いものだよ!
今回の投票は…そう、エクストリームいちごチョコ大福だったかね!
それに並べて、絵になるものが良いだろうね。」
「しかし、投票によってひとつが選ばれても、選ばれなかったものが貶められる訳でもない。
なんとか鍋も、この街で愛されていくだろうね!
だから、なんとか鍋に合う酒も選ばなくてはならないな!」
「じゃあこれを食べ終わったら、広場にでも行ってみる?」
シードルを飲み干すと、まだ飲み足りないかなともう一本頼んでみたようです。
お肉の方はまだあるので、それをおつまみに味わっていくでしょう。
「それにしても…投票は決まったらしいね。
大福の方になったみたい」
旅人は鍋の方に投票していたから、少し残念そうでした。
「名物料理が決まったなら、名物のお酒とかも欲しいかもね」
「嗚呼、愛してくれてありがとう。乾杯!」
色々な要約を載せ、愛に乾杯。
「うむ? そうかも知れないね。みな、今日はお腹を空かせていないのかな。」
空腹に、今日も昨日も無いのだが。
「なに、広場なりなんなりに出れば、乾杯の声もまた聞こえるだろう。
寂しがることは無いよ。」
「成程…」
天使というのは、やっぱり自分たちとは違うんだなと思ったようです。
他人の愛でお腹が膨らむことは、少なくとも旅人はありませんから。
「じゃあ、味わって食べないとだ。
乾杯、天使さん」
とはいえ一緒に食事する相手がいないのは淋しいので、天使さんと乾杯をしましょうか。
「それにしても、夜なのにヒトが少ないね」
「嗚呼、自分にあった良き酒に巡り合えて居ないヒトは居るね。」
飲めないヒトという言葉は、辞書に載ってないそうです。
「食事かい? 君が酒(と羊肉)を愉しんでくれれば、それで十分さ。
酒(とお肉)に対する君の愛で、この身を満たすには十分なのさ。」
要約すると、誰かが酒を嗜んでくれれば、それがエネルゲンの様です。便利だね。
「飲めないヒトだっているじゃない」
アルハラだこれ、と思ったそうです。
「まぁ、嫌いではないけど。
でも意外だな。天使がお酒好きなんて。
まぁ、いいけど」
マトンのお肉を頂きながら、シードルを少し飲んでみれば。
喉がほんのりぽかぽかして、もっとお肉が食べたくなることでしょう。
そしてお肉を食べれば、肉の脂を流すようにシードルが進みます。
これはたまらないな、と旅人は思いながら、お肉とお酒をゆっくりと堪能していくでしょう。
「天使さんは何か食べないの?」
「酒はみんなが好きだろう。(主語デカ)」
食事の様には、満足気か。きっとあなたが食事を、酒と共に楽しんでいるから。
「他の天からの使いのことは知らないがね、好きだろうとは思うよ。
何故なら、君たち人間(広義)が酒を好きだからね!」
「果物は好き。
嫌いな人ってそう見ないけどね」
そんな事を言いながら、少しだけシードルを飲んでみることでしょう。
甘酢っぱい香りとシュワシュワした口触りは、あまり体験したことのない味でした。
「美味しい…シュワシュワするね。
焼いたお肉とかに合いそうだな。この感じ」
せっかくだし、とお肉料理を頼んでみました。
ジューシーな脂の乗ったマトンを焼いたものがやってきて、ダイナーに美味しそうな香りがします。
「天使さんはなんでお酒が好きなの。
天使ってみんなお酒が好きなの?」
「林檎のお酒か、美味しそう」
林檎のお酒は飲んだことがないので少し楽しみです。
それならまぁ、とお酒をもらうことでしょう。
「本当にお酒が好きなんだね。
ん…ああ、いい匂いがする。美味しそう」
くん、と匂いを嗅げば、鼻先に伝わる林檎の香りを堪能します。
果物のお酒は飲んだことがありますが、やっぱりこの爽やかな匂いはいいなと旅人は思ったようです。
「じゃあ、乾杯。
料理はなににしようかな…」
「やっぱりお酒の勧誘はされるんだ」
お酒は嫌いではないですが、そこまでたくさんは飲まないのです。
でも誘われたら断る理由もありませんので、飲むことに決めたようですね。
「シードルって何?
お酒もいいけど、ご飯も欲しいな」
「確かにそういうコは居るわよねえ?」
例えば鳥ではないが狼は番が先立たれるまでは一生付き添うという
中には先立たれた後でもその番を愛する個体だって居るほどだ
「あのコにそう言う番が現れると良いわね…」
2026年6月2日