ダイナー
2026年6月20日
「まぁ……大物な方がカッコ悪い行動しないものね…?」
馴染みの仲間、どれかといえばチンピラですぐ手とか出してたな…と思い出す。
そして映画でよく見る怖い悪は割と話が通じるが、やはり背負うオーラも違く…とも連想し、本物はあの通りなのだなと謎の関心を得る。(?)
「でも可愛かったり美しい子にちょっかいとかかけたくならない?」
綺羅々星のパトリシア
「悪なのにそこは弁えてるのね…」
まぁ安心するといえばそう…
「わかった。ちょっとまってて」
確か喉に優しいフルーツがあったはず。梨を見つけて、スムージーにして差し出そう。勿論、ストローは忘れずに。
「はい、喉にいいらしいから」
「お若いって…いうて俺もう(魔界基準で)アラフィフ手前なんだぜ?若者から見りゃ爺さんになりかねねェのよな…」
実はれっきとした中年な黒鶴頭。
「あーやだやだ、歳はとりたくねェもんだ。…マ、ナイスミドルってのを目指せばいいかァ」
「そんな事言うと、オッサンというよりお爺さんになりますよ、タズさん」
まだお若いでしょう?と。
「パトリシア、何か飲む?良かったら梅ちゃんさんたちにも作りますよ」
手に持っていたサンドイッチを食べ切り、よいしょと席を立って。
「おはよう、オーリヴェル。…まだ痛いけど喋れるぐらいではあるわ。」
サンドイッチ、頂こうかしらと歩み寄り。
「タズも紅梅も、…まぁ久しぶりね。
変わらずで何よりだわ。」
そしてタズさんに撫でられる。
撫でられるはいいが何故?と首を傾げたかも。
「えぇ。とびきり、です」
そんなムーヴをはねっ返す笑顔です。紹介出来たらいいな。
「……最初こそ不安でしたから。変な投票は多いけど、ここに来た人はみんな良い人です。大好きですよ」
警戒心はすっかり無くなっていたね。
「ほーん、『とびきりの』……ほぉ〜〜〜〜〜ん??」
ウザいオッサンのムーブ。若者のキラキラの気配を察知した。
「オーリヴェル、なんかオメー笑顔が増えたなぁ。オッサンは安心してるぜ。」
「よし任せとけ、他の幹部にも一応話付けといてやる。幹部格の墨付きに喧嘩売るアホはいねェからな」
「ええ、とびきりのツレが」
お披露目は…まあ、彼女が来てからでもいいだろう。
「もしかしたら旅の途中でお邪魔するかもしれません。もしそうなったら、タズさんは頼りがいがある人ですよね」
声色もいくらか明るい。出会った時よりは前向きな雰囲気。
「ほーーん。……『一人で行く訳じゃない』?なんだ、ツレがいるのか?」
もしゃもしゃサンドイッチを食べている。
「うーん、こういう時に気楽に『来るか?』って言える世界から来てねェのよな、なにせ魔界なもんでよ……まァ、気が向いたら来いよ。俺のシマなら安全にできるし、ヤサくらいは用意してやるさ。」
「ええ。表も裏も関係ありません。もっとも、僕は今の地位で満足してるし、僕を見ていない家の事なんか願い下げですがね」
相変わらず首が長いなぁと見つめ。
タピオカミルクココアをストローでずずず……
「うーん……あんまりアテはありません。何せ僕は、シグリヴルド以外の世界をほとんど知りませんから。
…でも、寂しくはないんですよ。一人で行く訳じゃないし。きっと手探りでも、楽しいと思います」
「政略戦争。」
「……あー、そういや、オメーお坊ちゃんだったか。確かにシノギの削り合いやらポストの奪い合いってのは面倒クセェよな。それは表でも裏でも変わらねェらしい。」
サンドイッチを一切れ、嘴でつまみ上げる。
「じゃー何処に行くんだ。アテはあンのか?」
「まあ、仕方ないですよ。それがタズさんの生き方じゃないですか」
サンドイッチ食べます?と1切れ渡そう。1人分だから4切れしかないけど。
「えぇ。僕もここを離れるしかなくなりました。少し厄介でして……政略戦争に巻き込まれるのは嫌なので」
足がついてるここを離れるしかない。ウリエル家が没落し、ほとぼりが冷めたら戻ってくるかもしれないけれど。
「そ、会合。幹部はつれェよ。まァ今回ばかりは俺のシマも関わってるからなァ……」
あ、そういやそこらへん言ってなかったか、まぁいいやとなりつつ。
「タズさん『も』、っつーことは、オメーも離れる予定なのか。」
2026年6月19日
「まさか。俺みたいなのまで招かれるってンなら、ここの住民選別の仕組みを疑いますよ」
「……さて、俺ァもう失礼します。幹部会の件、よろしく頼みますよ。」
そう言い残して、巨躯の黒鹿は何処かへと立ち去っていった。
「流石に俺もンなマネはしないですよ、瞬間湯沸かし器じゃあるめェし。だからこうやって無理に連れ返そうとしてねェんでしょうが。」
「ただ、まァ、次の幹部会には出てもらいますからね。議題が他でもねェ、アンタんとこのシマの話なんでね。」
翡翠色のモノクルがきらりと反射した。
2026年6月18日